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江鮭

 琵琶湖には様々な魚介類が生息していますが、小生が美味と感じる代表は琵琶湖固有種の「江鮭」です。アメノイオとかアメノウオと読むのですが、秋の雨の日に川を遡上して産卵するところから名付けられています。この時期の江鮭は美しく婚姻色を帯び、また雄は鮭と同じく鼻曲がりの勇壮な顔立ちになるそうですが、これは耳学問で自身で確認した訳ではありません。
 江鮭は古来から親しまれ、近江を代表する季語でもあります。童謡「どんぐりころころ」の作詞者・青木存義は「声淋し淀鳥羽暮て江鮭の魚」と詠んでいますし、江戸中期の俳人で芭蕉に反抗した山本荷兮「月は山けふや近江のあめの魚」、与謝蕪村「瀬田降て志賀の夕日や江鮭」の句も残っています。
 なお、現在この魚のことを「ビワマス」と呼んでいます。「それなら知っている、それを早く言えよ」と怒られそうですが、先人が編み出した洒落た名前を味わい、後世に残したいと思っている小生なのであります。この他に、晩秋に鰭が赤く色づいた琵琶湖の鮒を紅葉鮒(もみじぶな)といいます。ですから「紅葉鮒そろそろ比良の雪嶺かな」とか「紅葉鮒湖北に多き観世音」などと晩秋の近江が詠まれています。「紅葉たなご」も同じ考え方の晩秋の季語です。
※江鮭を使った炊き込み御飯は「アメノイオ御飯」と呼ばれ、湖魚のなれずし、湖魚佃煮、日野菜漬け、丁稚羊羹を含めて、平成10年に滋賀県の食文化財に指定されています。郷土料理を文化財に指定した滋賀県を、県民の一人としてとても誇りに思っています。

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コメント

アメノイオ御飯をいただけるお店ってあるのでしょうか。無性に食べたくなりました。

 アメノイオ御飯を食べられるお店ですが、残念ながら存じません。どなたか情報をお寄せ下さい。
 9月のことですが、長浜市八幡中山町のショッピングセンターフタバヤにある淡水魚店・マルマンに、それは見事な江鮭が(勿論ビワマスの名で)売っていました。こうなればマルマンで一匹買ってきて、自分でつくってみましょうか。

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